『北欧、暮らしの道具店』から学ぶ「メディアEC」の重要なポイント


 
EC専業のショップが実店舗を開業する流れが一部ではあるということについては、このブログでも何度か取り上げています。
 
実店舗展開を進める米アマゾンの狙いとは?
実店舗ニーズはEC化が進む今も確実に存在している
 
しかし、ネット専業(EC専業)で存在感を放ち続けるショップもたくさんあります。その中でも、もはやレジェンドのような存在感となっているのが『北欧、暮らしの道具店』です。
 

『北欧、暮らしの道具店』とは?

『北欧、暮らしの道具店』はクラシコム社が運営するECサイト。従来のECスタイルにメディア要素を盛り込み、いわゆる「メディアEC」のさきがけとしても知られています。
 
メディアECとは従来のECサイトのような機能や価格の情報だけでなく、その商品の背景にあるストーリーや、使用した際のストーリーなどを添え、読んでいるだけで楽しくなるようなサービスを指します。
 
そんな『北欧、暮らしの道具店』がオープンしたのは2007年9月。もう10年以上の歴史があるんですね。現在は月間1,300万PV(2016年)を誇る、圧倒的レジェンドECサイトに成長しています。
 
 

『北欧、暮らしの道具店』を始めるまで、始めた後の苦労

『北欧、暮らしの道具店』を始める前は別のWebサービスを展開していたクラシコム社。しかしサービスは上手くいかず、最後に北欧に旅行にでも行こうとなりました。しかしそこで「せっかくならば商売しよう」と訪れた北欧でビンテージ食器などを買付け、EC販売したところすぐに売れた。この体験から『北欧、暮らしの道具店』がスタートしました。
 
「北欧、暮らしの道具店」が生まれるまで。世界観の作り方、SNS運用の秘訣(SELECK)
 
『北欧、暮らしの道具店』のような1点ものの商品が多いECサイトの悩みは、ユーザーがサイトを来訪した時に「売切れ」商品が多くなってしまうこと。ハンドメイドECやフリマも同じような問題を抱えていると思います。
 
そんな中で「面白い読み物があって、習慣的にサイトを訪問し、在庫があるまでの期間を楽しめる」ような仕組みを模索した結果が現在の「メディアEC」型だったのかもしれません。
 
EC業界の常識を疑い、メディアの道を歩む「北欧、暮らしの道具店」(VALUE PRESS)
 
 

メディア×ECの難しさ

メディアへの流入経路として現在も有力なのが「検索エンジン」からの流入です。コンテンツが豊富なメディアECは時として通常のECサイトよりもSEO(検索エンジン最適化)で強くなります。
 
しかし多くのメディアECが悩むのは、検索エンジンからの流入は増えるものの、コンバージョン(購入)率が伸びないというところです。それはなぜか?
 
検索窓にキーワードを入れてサイトを訪問するユーザーの期待値とメディア側の期待値のズレがそこには存在し、それが原因で購買率が上がらないケースが増えてきてしまいます。そこの調整を上手くやらない限り、PVは増えるけど、購買されないただのメディアができあがってしまいます。「メディアEC」はPVを増やすことが目的ではなく、商品を販売することが目的です。
 
 

ブランドをいかに作っていくかがポイント

いろいろと『北欧、暮らしの道具店』を探っていく中で僕が辿り着いたのが「メディアECとは言え、検索からくる場合は「北欧、暮らしの道具店」と打って訪問するユーザー、もしくはブックマークなどから訪問するユーザーをいかに増やすかが重要なんだろうな」という結論でした。
 
そんな折りに上記記事を見つけて読んでいくと、その中でクラシコム青木さんが糸井重里さんがやっている『ほぼ日』を「山の中のお蕎麦屋さん」と例えていて、まさにそれだと思ったわけです。
 
場所×蕎麦で見つかった店ではなく、その店に最初から行く。その店でメニューを探す。この流れがメディアECには重要。先ほど述べた僕の結論もまさにそれでした。ブランドをいかにつくるか。それがやはり大事です。
 
 

『北欧…』のメディア化以外の取り組み

実は『北欧、暮らしの道具店』は数年前まで実店舗が存在していました。しかし今は閉店してしまいました。閉店した理由は「サイト上の商品数と店舗の商品数のギャップ」といったことがどこかのメディアで書かれていました。もちろんそれだけの理由ではないとは思いますが、現在は実店舗は無いようです。
 
また最近ではプライベートブランドも積極的に展開しているみたいです。最初に取り組んだのはジャムで、今はそれ以外の商品にも拡大しています。ブランドができれば当然PB化は必須ですよね。
 
 
 
というわけで、今回は『北欧、暮らしの道具店』とメディアECについて少し書いてみました。この分野は個人的にすごく興味があるので、今後もいろいろ調べていきたいと思っています!
 
 
photo credit: Ulf Bodin Christinehof, July 15, 2017 via photopin (license)